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PYRAMID MANIA

 

 現代に様々な姿のピラミッドを蘇らせようとしているこの新シリーズは、そう簡単には進まないのが現状だ。現存している四角錐に基づいた形にこだわり続ける結果は、ひと月に2〜3点程度が限界のようで、計画のシリーズ目標50点の全貌はいつの日にみることができるのだろうか、自分でも見当がつかなくなりつつある。

 恐竜シリーズ、未知の飛行体シリーズと続いて、過去にこの地球上に存在したかもしれない、未発見のピラミッドの姿を写真としてデザイン表現することを思いついた。海の底に沈んでいるものや、地中に埋もれてしまっていて、現代ではもう見ることができなくなっているピラミッドは、必ずやもっと在るのではないだろうか。そう思えるからだ。仮にそれらを誰もがちょとした旅行で見ることができる仮定したら、この世界はかなりスペクタクルでエキサイティングなものになるに違いない。

 いつものようにぼくはそう考えると、すぐにモニター画面のなかでそれをシミュレーションしてみなくては気が済まなくなってしまった。その最初の結果の幾つかがこのようになってしまい、ピラミッド考古学の裏付けなどないのだが、少しだけ力学を取り込んだこれらの姿は、巨大さや設置場所や構成素材などにこだわっていくうちに、あながち在りえないこととはいえないような気がしてきている……。

 

                           1998年12月 田島照久